着付け教室ガイド

短期間で習得でき、カリキュラムが充実した着付け教室を選ぶ

着付け教室に通う一番の目的は、着付け技術の習得であり、まずは「ひとりできれいに着物が着られること」を目標にされる方も多いのではないでしょうか。

その一方で、実際に着物を着られる人が少ない原因のひとつに、習得にかかる期間が長すぎることが挙げられます。

もし、着物が着られるようになるまでに何年もかかるようでは、どんなに着物を着たいという気持ちがあったとしても、時間や費用を考えるとあまり現実的ではありません。

販売目的の短期の着付け教室だと、短期間では習得できないことも

では、短期間であることを売りにしている着付け教室が良いかといえば、必ずしもそうとはいえません。無料で生徒を集めている着付け教室の場合などは、そもそも無料でいつまでも生徒を教えることはできないため、受講期間は必然的に短期間にならざるを得ません。

しかし、それは短期間で着物が着られるようになるからではなく、着付け教室の主催者側の都合でそうなっているだけにすぎません。生徒がきれいに着物を着られるようになるかどうかは関係がありません。

無料の着付け教室に通ったけど、結局着物が着られるようにならなかったという話を時々聞くのはそういう理由です。せっかく着付けを習いに行ったのに、別の着付け教室にもう一度通い直すことになるくらいなら、最初からカリキュラムがきちんとしたところに通った方が効率的です。

着付けの技術だけでなく、着物の知識の習得ができる着付け教室を選ぶ

着付け教室に通って自分で着物を着られるようになると、次は実際に着物を着て出かけてみたくなるものです。そんな時に知っておきたいのが「いつ、どこで、どんな着物を着ればよいのか?」というTPOやマナー、最低限の知識です。

洋服や食事にしきたりやルール、作法などがあるように、着物にも最低限知っておきたい知識というものがあります。しかし、昔とは違って普段から着物を着ている人多くはいないため、身近にそのようなマナーを教えてくれる人は少なくなりました。

自分の着物はどんな種類のもので、どんな場所に着ていくことができる着物なのか、分からなくても無理はありません。現代では、そのような知識を教えてくれること自体が貴重な機会となりつつありますので、着付け教室選びの際には、そのような実用的な知識もあわせて学べる教室をオススメします。

近年話題となっている「着物警察」という言葉の背景にあるものは?

ここ数年で「着物警察」という言葉をよく耳にするようになりました。他人の服装にわざわざ口出したり、自分の考えを相手に押し付けたりする必要は全くありませんが、その背景には「きものの決まりごと」を知らない世代が増えていることも一つの要因として考えられます。(知らないことが悪いというわけではなく、時代の変化による必然です)

実は、着物のしきたりは時代によって変遷があり、ある時代には当たり前だったものが、次の時代には全く違っているなどということもあります。したがって、絶対的に正しく、誰かに強制しなければならないルールなどはないと言えます。

実際、衣替えの時期については、温暖化の影響によって昔ながらのルールでは現代の実情に合わなくなってきています。常に「今」という時代に即した考え方が必要になるでしょう。

基本を理解すれば「着物警察」も怖くない?

昔から続いてきた文化や武道には、様々な決まり事があります。そのような決まり事の中には時代とともに変わるものもあれば、変わらないものもあるでしょう。

「着物警察」のような一方的な押し付けが良くない反面、ルールやマナーを全く無視してよいとも言い切れません。

着物をファッションとして考えれば、自分なりのオリジナリティを出したり、自由な発想で着物を楽しみたいと考えるのは自然なことですが、例えばそのファッションによって人に不快な思いをさせるようなことはなるべく避けたいものです。

武道や茶道の言葉で言えば「守・破・離」。歌舞伎や落語の言葉を借りれば、「型なし」と「型破り」の違いと言ってもよいかもしれません。単なる無知ではなく、あくまで基本をわきまえた上で旧来の型やしがらみを打ち破り、独自性を導き出していけるかどうかが問われているのかもしれません。

着物の知識や歴史的背景を学ぶことも楽しみのひとつ

少し難しい話になりましたが、そんなことは関係なくとも、自分の持っている着物について何も知らないよりは、どこでどんなふうに作られた着物なのか知ったうえで着る方が何倍も楽しいはずです。そういった知識や歴史的背景を知ることも楽しみのひとつと考え、気楽に学んでいくとよいのではないでしょうか。

着付け教室によっては「特殊な小物を買わされ、知りたい着方を教わるまでに1年かかる」といった事例もありますので、着付け教室を選ぶ際には、その教室のカリキュラムやスケジュール、お免状を取得するまでの期間などを予めホームページ等で確認しておくと良いでしょう。


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